ネクスティエレクトロニクス 太陽光発電所向けラジコン草刈機開発
豊田通商の100%子会社、ネクスティエレクトロニクス(東京都港区、柿原安博社長)は2023年3月29日、燃料電池を搭載したラジコン草刈機を開発したと発表した。23年秋頃を目途に商用化し、太陽光発電所の発電事業者やO&M(管理・保守)企業などへ提案したい考えだ。
同社は21年に電動モビリティ製造のユニックや高圧ガス容器製造のJFEコンテイナーと開発に着手した。22年5月にシンガポールの燃料電池メーカー、スペクトロニクと販売代理店契約を結んだのを機に、蓄電池の代わりに燃料電池を使う改良を加えた。
ネクスティエレクトロニクス新事業推進部次世代パワエレグループの田邉健太郎グループリーダーは「従来機に搭載されていた蓄電容量1.4kWhのリチウムイオン蓄電池では稼働時間が短く、燃料電池に換えたところ連続稼働時間が2倍の8時間に延びた。処理能力は従来品と同等の性能だ」と語る。
製品の作業能力は約300㎡/h、速度は0.5~3.7km/h。草丈約1mまでの草を刈りつつ、斜面に対し、水平移動で最大45度、垂直移動で最大30度の除草も可能だ。利用者は遠隔から無線で操縦できる。
同社デバイスソリューションカンパニー事業開発ユニット長の高野幹男執行役員は、「今後は草刈機だけでなく、ドローン(無人航空機)などの小型モビリティで燃料電池を活用したい」と展望を述べた。