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吾妻製作所、太陽電池式道幅表示灯開発

灯体と支柱の色は、白と黒の2種類を用意している

交通安全用品を製造する吾妻製作所(埼玉県戸田市、冨永和之社長)は、太陽電池で稼働する道幅表示灯を開発した。雪道で路端を線状の光で照らし、脱輪を防ぐ。今冬の最終試験を経て来年から積雪地域向けに本格販売する。

同製品は1基につき容量12Ahの鉛蓄電池と太陽電池を備える。太陽電池の大きさは設置条件ごとに調整可能だ。電灯はLED電球で、蓄電池が満充電であれば、日照がなくとも1週間以上点灯する。3m高の支柱から道路と並行の細長い光を地上に投射。光の位置を道端に合わせることで積雪時の脱輪を防ぐほか、除雪車に除雪範囲を示す役割も果たす。

同社自然エネルギー事業部販売グループの齋藤修課長は、「北海道では道路位置を示す矢羽根という発光標識が導入されており、当社でも製販してきた。しかし、矢羽根は道路の真上に設置するため、高さが5mに達し、景観上の問題を指摘される。今回開発したものは支柱上から斜めに光を投射する構造で、高さを3mに抑えられる」と語る。

蓄電池と太陽電池は従来の矢羽根に採用したものを流用した。北海道では人家のない無電化地域が多く、独立電源式にした。

今年1月にえりも町役場の協力で試験設置したが、投射光の長さや表示灯の設置間隔、電源確保などを改良し、今冬にも再度試験設置する。親会社の吾妻商会が販売を担い、来春から本格販売する予定だ。

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