稲畑産業、欧州太陽光事業撤退
アジアへ転換
化学専門商社の稲畑産業(大阪市、稲畑勝太郎社長)は、太陽電池関連事業で欧州から撤退し、アジアで展開を強める。欧州の太陽光発電市場の変化に伴い、業績を落としたため、今後は、日本や東南アジアで太陽光関連製品の販売を強化する方針だ。
同社は2006年に欧州の太陽光発電市場へ進出し、原料や部材の供給してきた。だが、近年は業績が低迷。19年3月期第1四半期決算で、欧州の太陽電池関連事業から撤退したことを明らかにした。
同社情報電子第三本部第一営業部第三営業課の松尾俊宏課長は、「欧州の太陽光市場は自家消費を主とする堅調な市場になり、材料供給者である当社の役割は終わった」とし、「今後は欧州の自家消費向け技術を日本や東南アジアに持ち込む」と方針を示した。
具体的には、太陽光パネルと水素製造装置を組み合わせた創蓄電設備や、太陽光発電設備を含む電力小売り用のブロックチェーンの提案を検討中だ。