東京都、駅舎への太陽光導入に助成
東京都は6月27日、都内の駅舎への太陽光発電関連設備の導入を助成すると発表した。7月18日に申請を受け付け始め、今年度より3ヵ年連続で実施する。利用者の多い施設への太陽光発電導入を促進し、再生可能エネルギーの普及啓発を狙う。
助成の対象となるのは東京都内に位置する鉄道の駅舎で、路面電車の駅も含まれる。1件の申請につき35kW以上の規模の設備とする必要があるが、複数の駅に設置したものを合わせて1件として申請することも可能。駅の屋根面積の小さい路面電車などに配慮したためだという。駅ビルへの設置は対象外で、プラットフォーム屋根へのパネル設置量が全体の50%を超える必要がある。
また、太陽光発電による発電量などを表示する設備を設置し、利用者への普及啓発を図ることも、助成の要件だ。
対象設備は太陽光発電設備と蓄電池、発電量表示機である。設計費と設備費、工事費を合わせて、1件当たりの合計金額の3分の2、最大2億円を助成する。
今年度の予算は3億円と最大助成額に比して少ないが、環境局地球環境エネルギー部の小島正禎都市エネルギー推進担当課長は、「最大助成額に達することは考えにくく、おおまかに各1件1億円で今年度3件というところを想定している」と話す。
東京都では昨年度より3ヵ年の期限でバス停留所への太陽光発電設備導入への助成も行っている。こうした取り組みについて小島担当課長は、「東京にはメガソーラーを建設するような土地が少なく、発達した交通機関の屋根を活かせるのではと着想した。都民の目につく場所への設置による普及啓発効果を狙う」とし、「この助成により公共交通機関への太陽光発電導入が急速に進むとは考えていないが、注目を促し、企業の取組みを増やすことに繋がればよい」との展望を語った。