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太陽工業、シースルーパネルを住宅に導入

細断されたセルの隙間から光が透過する。空を背景とすればセルは目立たないという

 

膜状製品を製造・販売する太陽工業(大阪市、荒木秀文社長)は6月21日、シースルー型太陽光パネルを住宅に納入した。製品の引き合いは施設向けが多く、住宅での採用は初めて。今後は住宅向けの展開も狙う構えだ。

今回は1200×998㎜のシースルー型太陽光パネルを12枚使用し、埼玉県内の住宅にガラス屋根として設置した。1枚当たりの出力は85W。遮光率が90%で、室温の上昇を抑えつつも、室内の明るさは確保できる。

導入した太陽光パネルは、アモルファスシリコン型太陽電池と結晶シリコン型太陽電池を重ねた構造だ。アモルファスシリコン型のみを用いるモデルと比べ、出力は2倍。ただ、W単価は一般的な太陽光パネルよりも高くなる。

同社TM事業部事業開発営業課の松浦洋平主任は、「太陽電池セルに間隙を設けるため、どうしても変換効率が低くなってしまう。遮光しつつ発電もできる機能性ガラスとして、駅や官公庁舎、大型商業施設などへ導入してきたが、個人の顧客は出力に着目するので訴求が難しい」と話し、今回は導入先の住宅オーナーの希望で受注したという。

松浦主任は、「これを機に個人宅への提案や住宅メーカーと協業したい」とし、「シースルー型はガラス製の手すりなど、身の回りの透明な部分に用いることができる。提案先は色々考えられる」と展望する。

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