日本電託、追尾架台価格低減へ
太陽光発電設備の開発と施工を行う日本電託(東京都渋谷区、佐藤修社長)は、自社で開発した2軸式大型追尾架台の価格低減に乗り出す。新設計により構造強度を増すことで、材料などの費用を抑える。
同製品は1本の支柱で全体を支える方式で、設備の下の土地を有効に使えることが利点だ。1基に168枚の太陽光パネルを載せられるため、50kW規模のシステムとして運用できる。追尾方式は、光センサによるものと事前のプログラムによるものの2種類に対応している。
ただ、一般的な架台と比べて発電量が2倍近くに伸びる反面で、導入にかかる費用も同程度増す。同社は目下、価格低減のため、太陽光パネル下の支持部に改良を加えることを検討している。
この支持部にはトラスと呼ばれる構造を用いているが、これは、骨組みを三角形で構成することによって高い強度を実現する技術である。構造上の強度が高く、重量の割に高強度なことから、自重によるゆがみが少ない。しかも、部材の軽量化が可能で、その分コストを抑えられる。同社は、既に独自設計のトラス構造を新開発しており、架台の価格を100万円ほど下げられる見込みだ。
とはいえ一般の架台と比較して相当に高価となるので、同社の佐藤修社長は、「投資家には向かない商品だ」と割り切っている。「農地や駐車場など、下部の空間の活用を前提とした案件に適しているだろう」と例を挙げつつ、「関心を持ってもらえれば、技術提供も積極的に行う」と語った。