荏原実業、ZEB化事業拠点を新開設
環境関連製品を製版する荏原実業(東京都中央区、鈴木久司会長兼社長)は6月、千葉県でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化事業用の施設を稼働した。製品の研究開発のほか、販売や施工の拠点としても使用する。実際にZEB関連設備を導入し、見学も受け入れる。
同施設で開発する製品は、太陽光パネルを用いた創蓄電システム。環境設備本部の野田公一ME技術長は、「7年程で償却できる価格帯を目指し、現在よりも2割は価格を下げたい」と話す。
このほか、消費エネルギーの少ない空調設備も開発する。一般的な空調設備では熱管理と除湿に別個の空調機を要するが、同社の空調機は、ローターの回転数を変化させることで両方に対応できる。消費電力や費用の低減に有効だ。
新施設は延べ床面積800㎡で、同社製空調設備やLED灯の導入により消費電力を大きく抑えた。
デモンストレーションとして20kW規模の太陽光発電設備と蓄電容量35kWhの蓄電システムも備えるが、野田ME技術長は、「消費電力が少な過ぎて、発電した電力が余ってばかりだ」とし、「工場はエネルギー使用量が読みやすい。ZEB化は難しくとも、ピークカットの需要は期待できる」との展望を語る。
同社は今回の事業化により、10億円の初年度受注高を目標とし、将来は30億円まで高めていくという。