津田、営農用太陽光発電所完工
IoTで営農を自動化
営農用太陽光発電設備を販売する津田(津田和明社長)は3月、本拠を構える兵庫県丹波市で出力11kWの営農用太陽光発電所を完工した。潅水や施肥を遠隔から自動で行う仕組みをソフトウェアメーカーと共同で構築。全国に売り出す構えだ。
京セラ製の太陽光パネルとPCS(パワーコンディショナ)、サンレール製のアルミ架台で発電設備を構成した。パネルの下でブルーベリーや九条ネギ、玉ねぎなどを栽培し、販売していくという。
農作業の省力化を図るべくIoT(モノのインターネット)技術を導入。気温や湿度、土壌水分といった情報をセンサで測定し、スマートフォンを通じて遠隔から把握できるようにしたほか、潅水や水溶性肥料の施肥も可能にした。
測定の仕組みは、ソフトウェア開発のデータプロセス社と共同で構築。設備の稼働には太陽光パネルで発電した電力を充て、残りは売電する。発電所の売電単価はkWhあたり21円で、年間予想売電収入は約25万円だ。
津田社長は、「3年以内に農業収入と売電収入を合わせて400万円以上の売上げを目指す」とし、続けて「丹波の農業従事者は65歳以上が88%。農地の管理も簡単ではなく、収入が少ないため、後継者不足に陥っている。高齢者や女性にとって楽な農業を可能にする仕組みづくりをつくりたかった」と思いを語った。
なお、津田は今回の、営農を自動化しつつ太陽光発電事業に取り組む仕組みによって、2017年度『兵庫県経営革新計画』の承認を県から受けている。津田社長は「この仕組みを全国に向け販売していきたい」と抱負を語った。