クボタ、営農太陽光で農工大と実証開始
農機大手のクボタは2023年6月6日、東京農工大学と営農用太陽光発電設備の下部農地でブルーベリーを栽培する実証試験を開始したと発表した。ブルーベリーの生育法を検証し、実用化に繋げたい考えだ。
同社らは、農工大府中キャンパス内の試験圃場約2500㎡に出力約60kWの営農用太陽光発電設備を設置した。遮光率約30%と同50%の2種類の設備の下部農地にブルーベリーの苗200鉢を置き、異なる条件下で生育を比較検証する。
クボタイノベーションセンタービジネスインキュベーション部カーボンニュートラルビジネス企画室の谷直人氏は、「栽培する作物には、大型農機が不要で、特に農作業の手間がかからないブルーベリー栽培を選択した」と経緯を述べた。
東京農工大学農学部附属広域都市圏フィールドサイエンス教育研究センターの伴琢也准教授は、「ブルーベリーは日陰作物で、国内の自給率は20%程だ。1反あたり年間100万円売上げる農家もいて、市場価値の高い作物である」と可能性について語る。
クボタは設備を提供し、農工大が栽培を管理しつつデータ収集して分析する。今回は、発電した再生可能エネルギー電力を活用していないが、今後は学内に供給するなど活用法を検討していく。実証期間は23年1月から25年12月までの3年間。
クボタの谷氏は、「3年間の実証試験で、最適な遮光率や栽培方法を確立し、様々な地域へ展開していきたい」と語る。