富士通総研、『ローカルVPPイニシアティブ』設立
地域でVPP事業確立へ
富士通グループのシンクタンクである富士通総研(東京都港区、香川進吾社長)は、『ローカルVPPイニシアティブ』を立ち上げ、1月末より活動を開始した。地域における再生可能エネルギー発電設備や小型蓄電池などを活用したVPP(仮想発電所)関連事業の実用化を目指す。
同社がこのほど立ち上げた『ローカルVPPイニシアティブ』について、行政経営グループのプリンシパルコンサルタントである上保裕典氏は、「VPPは、経済・環境・社会的価値を生み出せるもので、上手く事業化できれば地域経済の活性化にも寄与できるはず。そこで自治体とも連携しながら、地域における自立分散型エネルギーサービス市場を開発し、早期の社会実装を目指す活動の場を設けた」と説明する。
同イニシアティブには現在、芝浦工業大学非常勤講師でスマートエナジー研究所のファウンダーである中村良道氏が協力しているほか、長瀬産業やユアサM&B、福岡市、横浜市住宅供給公社、伊豫物産、太陽住建などが参加。まずは、横浜市住宅供給公社と連携し、団地や集合住宅など高圧一括受電を受ける集合体をマイクログリッドと位置づけ、太陽光発電や蓄電池を導入し、IoT(モノのインターネット化)技術やブロックチェーンを活用しながら、『ローカルVPP』としてのサービスの実用化を目指す。
上保氏は、「さらに参加企業を募りつつ、横浜市以外の地域でも取組みを進めたい」と語る。