イオン、RE100加盟
2050年に100%再エネへ
小売大手のイオン(千葉市、岡田元也社長)は3月28日、店舗で排出する温室効果ガスを2050年にゼロにする目標を公表し、100%再生可能エネルギーでの事業運営を目標とする『RE100』に加盟した。店舗に太陽光パネルを設置するほか、再エネ比率の高い電力を使って50年までに100%再エネに切替える。
同社はこのほど、『脱炭素ビジョン2050』を策定。50年までに自らの店舗で排出する温室効果ガスを総量でゼロにし、物流など事業の過程で発生する温室効果ガスもゼロにする努力を続けつつ、顧客とともに脱炭素社会の実現を目指す。30年に10年比で温室効果ガス35%削減が中間目標となる。
同社における温室効果ガス排出量の約9割が電力由来であり、省エネと再エネへの転換が目標達成の手段となる。同社の年間電力消費量は約74億kWh。これは日本全体の約1%に相当する規模だ。
省エネに関しては、省エネ設備の導入やIoT(モノのインターネット化)技術による運用改善などで年1%以上削減していく。再エネへの転換では、店舗に太陽光発電設備を設置するほか、再エネ比率の高い電力契約に切替えていく。同時に『RE100』に加盟し、50年までに事業運営に必要な電力を100%再エネで賄うという目標も掲げた。
太陽光発電設備の導入は以前から進めており、すでに大型店を中心に約1000店舗に設置済みだ。グループ環境・社会貢献部の金丸治子部長は、「太陽光発電については、小型店などへの設置も含め、新たな仕組みを採用していきたい。様々な提案にも期待している」と話す。
また、今年3月には本社ビルにおける使用電力を100%再エネの水力発電由来の料金プランに切替えた。「今後は自治体などとも連携し、エネルギーの地産地消につながる取組みも検討したい。まずは今年度内にもモデルとなる再エネ100%店舗をつくれれば」(金丸部長)。
同社は08年にCO2の排出削減目標を定めた『温暖化防止宣言』を発表。12年にはエネルギー使用量の削減や再エネの導入、防災拠点の設置を謳った『ecoプロジェクト』を始めるなど、これまでも環境に配慮した経営を推進してきた。
金丸部長は、「SDGs(持続可能な開発目標)やパリ協定の発効を受け、脱炭素化はいまや世界の潮流。我々も目標達成に向けて、しっかりと取組んでいく」と語った。