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トーヨーグループ、南相馬市に営農型太陽光

合計11.3MW、ミョウガを栽培

架台の高さは2.2m。下でミョウガを育てる

再生可能エネルギー発電事業を行うトーヨーエネルギーファーム(福島県相馬市、岡田吉充社長)は福島県南相馬市にて、合計出力11.3MWの営農型太陽光発電所を建設し、3月末に完工させた。東日本大震災で被災した遊休農地を活用したもので、太陽光パネルの下ではミョウガを営農する。今後は営農型太陽光に関する支援も行っていく構えだ。

同社が福島県南相馬市小高区に建設したのは、合計出力11.3MWの営農型太陽光発電所で、6つの高圧発電所の集合体である。3工区に分かれており、1期工事が昨年5月、2期工事が12月、3期工事が今年3月に完工した。総投資額は約40億円。そのうち2期工事分の発電設備一式は、三井住友ファイナンス&リースがリースする。

発電事業者はトーヨーエネルギーファーム、EPC(設計・調達・建設)とO&M(管理・保守)は親会社のトーヨー建設が担当。パネルは台AUオプトロニクス製、パワーコンディショナはスイス・ABB製。架台の最低地上高は2.2mで、独自設計を施したという。

今回、営農型太陽光発電所が建設された南相馬市小高区は、震災後、避難指示解除準備区域に設定された地域。2016年7月に解除されたが、「営農の継続が難しく、地主の方が土地の活用方法に悩んでおり、その相談を受けていた」(スマートエネルギー事業部開発営業課の萱野昴平氏)。

そこで同社は太陽光発電事業としての活用を検討。第1種農地を含んでおり、農地転用できないことから、一時転用による営農型太陽光発電所の建設に至ったという。一時転用申請などの手続きに加え、30名弱の地権者の合意を取りまとめ、17年年明けに着工した。

パネルの下では、日陰で育つミョウガを栽培。まずはJA(農業協同組合)を通じて販売していく予定だ。

萱野氏は、「今後も用地があれば、営農型太陽光発電所をつくっていきたい。我々が事業者になるだけでなく、ノウハウなどを提供する形での支援もできれば」と語る。

同社は建設や不動産を手掛けるトーヨーグループで再エネ発電事業や農業関連事業を展開。太陽光発電所の建設実績は約50MWに及ぶ。現在、木質バイオマス発電所のほか、兵庫県養父市でバイオガス発電所と植物工場の循環型複合施設の建設も進めている。

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