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出光興産、追尾式営農用太陽光の実証開始

出光興産は2023年6月21日、追尾式架台を用いた営農用太陽光発電の実証事業を開始した。稲作への導入を想定し、稲の生育期に日射量を充分確保する仕組みを開発、事業性を検証する。

営農用太陽光発電事業では、日射が太陽光パネルで遮られるため、農作物の生育に影響が及ぶ懸念がある。同社は追尾式架台を活用し、農作物の生育期に日射を十分確保する仕組みを考案した。

実証事業では、千葉県木更津市内の農地0.07‌haに、出力450Wの中・トリナ・ソーラー製両面発電パネルとオムロン製パワーコンディショナを用いた直流出力45‌kWの営農用太陽光発電設備を設置。さらにクリーンエナジージャパン製の追尾式架台を採用し、稲の生育時期には日射量を充分確保できるようにした。新昭和にEPC(設計・調達・建設)を発注し、地元農家に農業を委託。年間約4.5万kWhと見込まれる環境価値付き再生可能エネルギー電力は子会社の出光グリーンパワーに販売する。

同社は、子会社のソーラーフロンティアが開発したEMS(エネルギー管理システム)を活用し、約3ヵ月間の稲の生育時期と通常時で太陽光パネルの角度をシステム上で切り替えられるようにした。

同社地域創生事業室の丹保省吾地方・インフラグループ担当マネージャーは、「両面パネルを使ったので稲の生育期間中も通常時の3分の1は発電する」としたうえで、「課題は設置費の低減だ。kWhあたり12円程で売電できるようにコストを低減していく」と語った。

今後は営農用の高圧太陽光発電所での設置を検討している。

稲の生育期には、稲に十分な日射量が確保できるようにパネルの向きを調整する

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