桜木総建、パネル再資源化事業に参入
千葉県内に新工場建設
太陽光発電所のEPC(設計・調達・建設)企業、桜木総建(千葉県八街市、松原立社長)は2023年7月、太陽光パネルの再資源化事業を始めた。廃棄パネルのうち再使用可能なパネルを販売しつつ、再使用できないパネルを分解処理する。主に関東圏内で展開していく。
同社は、千葉県八街市内に新工場を建設し、チヨダマシナリー製の専用機械を導入した。太陽光パネルのアルミフレームを外すアルミ枠分離装置と、約100℃に熱したガラスを粉砕するガラス分離装置などを設置し、結晶シリコン系パネルを年間5万枚処理する体制を整えた。
発電事業者や解体業者からkWあたり1.2万円程度で廃棄パネルを受け入れ、破損がなく、発電量が8割を下回っていないものは再使用パネルとして販売し、残りを工場で分解する。分解後、アルミ材やガラスのほか、銀やレアメタルを含むバックシート、ジャンクションボックスなど、再資源化が可能な材料は専用の再資源化業者に卸し、kWあたり2000円程度の収入になる模様だ。なお、廃棄パネルの回収が必要な場合は、別途、発電事業者や解体業者から交通費を徴収する。
同社の渡辺光司主任は、「初年度2.5MW程度の廃棄パネルを回収できれば」と話す。
同社は、太陽光パネルの〝大量廃棄時代〟を見据え、パネル再資源化事業に参入した。今後はさらに5つの工場を建設し、処理能力を年間30万枚まで増強する方針である。
なお今回、経済産業省の『事業再構築補助金』と『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』を活用し、総投資額約2.5億円の3分の1程度を補助金で賄った。
同社は15年の設立後、地上設置型の太陽光発電所を開発。近年は自家消費用の太陽光発電設備の受注を伸ばし、23年9月期は売上高が前期比20%増の約6億円となる見込みだ。