西パワーエレクトロニクス、日本展開強化
1500V対応の次世代PCS投入
スペインのPCS(パワーコンディショナ)大手、パワーエレクトロニクスは今年3月に直流電圧1500V対応PCSの次世代機を発売するなど日本で展開を強めている。次世代機は単機容量が最大3.8MWで、現地での交換も容易なユニット構造を採用。特別高圧発電所へ提案していく。
同社はスペインのバレンシアに本社を構え、45ヵ国で累計8GWの出荷実績を持つ。2013年3月に日本法人を設立し、日本市場に本格参入。14年6月に初号機が稼働してからこれまで約40MW出荷した。
同社のPCSの特徴は、インバータがモジュラー方式であること。たとえば1000V対応機の場合、1モジュールの出力は200kVA~250kVA。PCSは複数のモジュールで構成され、発電量に応じて必要なモジュールだけ稼働する。電力損失も少なく、高効率運転を実現するという。
「いわばセントラル方式のストリングインバータ。両方の利点を兼ね備えたPCSだ。メガソーラー市場での価格競争力もある」(パワーエレクトロニクスジャパンの渡部芳晴カントリー・マネジャー)。
日本では、2MW級を中心とした1000V対応機のほか、昨秋に1500V対応の1~3.5MW機を投入。渡部カントリー・マネジャーは、「日本ではこれまで1000V対応機が多かったが、最近は1500V対応機の引き合いが旺盛だ」とし、昨年12月に1500V対応機が運転を開始した。
今年3月には1500V対応の次世代機の受注を開始。単機容量は2.2~3.8MW、モジュラー方式を踏襲しつつ、現場での交換が容易なユニット構造を新たに採用した。渡部カントリー・マネジャーは、「取り外しも簡単で、保守作業員に高いスキルを求める必要がない。故障発生時の復旧までの時間を短縮できるなど、保守の作業性にも優れている」という。
新型PCSでは、トランスやスイッチギアを内蔵したパッケージ製品も発売。定格出力は3.3~3.6MWである。
渡部カントリー・マネジャーは、「我々は顧客支援を重視しており、日本でも24時間対応の窓口を用意した。パートナー企業2社との協力体制も構築済みだ」としたうえで、「1500V対応のDC/DCコンバータも揃えている。日本は長期的に有望な市場であり、着実に事業を展開していく」と語った。