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日本工営、蓄電池制御システム提供開始

英国の電力周波数調整用に採用

建設コンサルタント大手の日本工営(東京都千代田区、有元龍一社長)は、電力系統の周波数調整向けの蓄電池制御システムを開発、2月より英国での利用が始まった。英国では太陽光発電などの変動電源の導入拡大に伴い系統の周波数調整サービスの需要が上昇。実用化した蓄電池制御技術で、需要開拓を狙う。

同社が開発したのは、周波数変動に対応した蓄電池制御システム。電力系統の周波数変動を読み取り、短周期での蓄電池の充放電制御を行う。今年1月末に、英国の送電系統運用者であり、電力品質を維持する周波数調整サービスなどを整備・運営するナショナルグリッドの試験基準に則った実機接続試験に合格。同社の制御システムは、周波数の低下時に蓄電池から放電し、上昇時に充電することで、周波数を規定範囲内に自動制御していく。

蓄電池とともに同社の制御システムが英・サウスウェールズに設置され、2月より運用が始まった。周波数調整サービスを提供するアグリゲータはキウイパワー。周波数調整サービスのほか、ピーク需要時の供給力を確保する容量市場にも活用されていくという。

エネルギーマネジメント事業部の鈴木雅登副事業部長は、「蓄電池関連事業は、価格低減と技術革新によって急成長が見込まれる。そこで我々の技術やノウハウを活かせると考え、開発に着手した。まずは先行市場の一つである英国で事業展開を始めた」と語る。

同社は2012年頃からBCP(事業継続計画)対策やピークカット・ピークシフト向けのほか、再生可能エネルギーの出力変動緩和対策用など、蓄電池制御に関する技術の研究開発を進めてきた。福島事業所には、太陽光発電と蓄電池、EMS(エネルギー管理システム)を導入しており、それらを活用した様々な実証も行っているという。

福島事業所研究開発室の小川隆行次長は、「太陽光発電用の遠隔監視サービスと同じように、蓄電池でもメーカーを問わないマルチベンダー対応であることが我々の強みの一つだ」と話す。

今後は、英国など需要のある国や地域に展開し、EPC(設計・調達・建設)を含むサービス提供を目指す。経済産業省のVPP(仮想発電所)実証事業にも参加しており、関連市場の拡大が期待される日本でも順次進めていく方針だ。

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