ヒラソル・エナジー、19年にパネル監視システム商用化へ
電力通信線技術活用
大学発ベンチャーのヒラソル・エナジー(東京都文京区、李旻社長)は、2017年の設立時から開発を進めてきた太陽光パネル監視システムを19年中にも商用化する。低価格かつ後づけも容易である特徴を活かし、導入拡大を狙う。
同社は17年2月に設立された東京大学発のベンチャー企業。東大の落合秀也准教授が開発した太陽光発電用の通信技術である『PPLC-PV』の実用化を目指し、同技術を活用したパネル監視システムの技術開発を進めている。李旻社長は、「太陽光発電所を賢く管理するツールにしたい」と意気込む。
同社のパネル監視システムの特徴は、低価格かつ後づけも容易なことだろう。『PPLC-PV』は電力線通信技術であり、太陽光発電所の電力ケーブルをそのまま利用可能なうえ、簡単な回路構造であることから、少ない部品点数で設備を構成できる特徴を持つ。
「単純な構成でパネル単位の監視が可能。必要な設備はセンサとゲートウェイのみ。まず監視に特化するが、将来的にはデータを有効利用したい。解析に基づいてミスマッチを発見したり、不具合の予備診断に使ったりできる。19年中にケーススタディして、商用化を目指す」(李社長)。
パネル監視システムはO&M(管理・保守)の効率化も期待できるものだが、現状では費用対効果などから導入を見送るケースも少なくない。価格低減を実現する新技術が実用化されれば、普及拡大が期待できそうだ。