ウェザーニューズ、太陽光発電量予測を開始
気象情報会社のウェザーニューズ(千葉市、草開千仁社長)は1月末、太陽光発電量の予測サービスを始めた。人工衛星の情報をもとに地表の日射量を誤差10%以内の精度で予測するという。太陽光発電企業へ提案していく構えだ。
一般の日射量予測は地上からの目視観測や統計情報によるものが多いが、同社によれば、雲を構成する粒子の大きさや密度に応じた日射量の吸収・散乱の程度が反映されないという。
さらに、特定時期の統計や観測所からの情報では、即時的な予報は難しい。太陽光発電ではわずかな日の陰りが発電に影響するため、電力需給調整の精度を高めるには、緻密で素早い予報が必要となる。
同社は13年前より、大学数校と産学連携で衛星画像を用いた気象予測の研究を実施。光線の波長や粒子の種類ごとに吸収や散乱の程度を分析する知見を積み、計算用のコンピュータを増やして予測の確度を高めた。
現在、同社の実証試験では日射量予測の誤差は10%にとどまるという。さらに衛星画像をもとに面的な観測を行うため、1㎞四方単位での気象予測が可能だ。特に6時間後までの精度は高く、今回のサービスを始めるに至った。
同社の西祐一郎iCornerグループリーダーは、「予測の精度には自信がある。次はデータの役立て方を提案する段階」という。石橋知博執行役員は、「当社は単に気象情報を提供するのではなく、情報に基づいて顧客を支援する。顧客の要望をもとに提案すべき内容を再確認し、サービスに反映していく」と話す。
同社はまた、販売展開の一環でKDDIに気象予測モデルを提供するなど、様々な業種との連携を広げる狙いだという。