フルーク、線路で発電事業
実用化間近
発電事業を企画・設計するフルーク(神奈川県鎌倉市、龍田尚光社長)は、鉄道のレールを利用した太陽光発電事業を計画している。レールの間にパネルを設置するため、整地の費用を削減でき、経済的だという。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の補助で実証試験を行い、和歌山県内の路線に導入したい考えだ。
同社は2012年、鉄道のレール間にパネルを配置する技法を考案。NEDOの補助事業に採択され、13年から14年にかけてひたちなか海浜鉄道などの協力で実証を行った。
同社の龍田社長は、「鉄道の線路はすでに整地されており、レールが架台代わりになるため、施工費を抑えられる。列車の運行に伴う振動や突風が課題だと考えていたが、実証試験の結果、問題なかった」と話す。
課題は、パネルが線路の保守点検作業の妨げになること。保守点検のたびにパネルを取り外さなければならず、同社の試算では、1MWのパネルで1回500万円ほどの人件費がかかる。
ただ、現在、和歌山県内にパネルの導入に前向きな鉄道会社があるようだ。フルークは、保守点検の課題を改善するため、軽量で迅速に取り外せる薄膜パネルの設置を検討し、ミアソレ製のCIGS系薄膜パネルを採用するという。