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中フォノソーラー、新型多結晶パネル来年初頭販売へ

新製品発表会では高効率化技術の動向が語られた

中国国営スメックグループ傘下のフォノソーラーは11月7日、新型多結晶パネルを来年初頭に販売すると発表した。60セルで出力は300Wを超える模様。多結晶型で高出力化を図る狙いだ。

新製品には、同社が独自に開発したMWT(メタルラップスルー)技術と、ナノテクスチャ技術を採用した。MWTは、表面のバスバー電極をなくして、セル表面に微細な穴をあけて電流を裏側に集めるバックコンタクト技術。ナノテクスチャリングは、セルの表面にダイヤモンド型の穴を形成し、散乱光を効率的に吸収することで表面反射率を低下させる技術だ。それぞれの技術を採用したパネルは既に販売済みだが、今回の新製品は両技術を組み合わせることで変換効率を向上させた。

スメックジャパンの張弩社長は、「技術開発の方向性として、低コスト化と高効率化を目指していく」と語った。

同日には都内で新製品発表会を開催。17年の世界パネル出荷量は前年比横ばいの1GWで推移する見込みで、今年は8月に生産能力400MWの新工場をトルコに建設したほか、来年は米国で1.2GWの新工場を建設する予定だという。

スメックグループの蔡済波会長は、「17年、海外ではドイツ、欧州、米国、日本が主な市場となり、多結晶の出荷が多かった。日本は市場が安定しているため持続的な成長が見込める。引き続き戦略的に事業を展開していく」と述べた。

スメックグループの蔡会長(左)と張社長(右)

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