ジューテック、設備販価下落で2割減収
住宅資材を販売するジューテック(東京都港区、木野下有司社長)は、2017年度上期(4~9月)の太陽光発電設備の売上高が前年同期比2割減少した。設置棟数は同6%増と堅調に推移したが、廉価な海外製パネルの需要が伸び、販売単価が低下した。住宅向けは国産品が有利とされてきたが、ここへきて販売店も海外製品の販売を増やし始めたようだ。
同社は10年より、住宅用太陽光発電設備の販売を本格化した。建材業者への卸売りを中心に、太陽光パネル、架台、PCS(パワーコンディショナ)などを一式販売。実績は累計約1万8000件にのぼる。
パネルは、パナソニック製を中心に販売してきたが、昨年後半からコスト要求が増加。これに応える形で、従来ほとんど取り扱わなかった海外製パネルを扱い始めた。販売するのは主にハンファQセルズ製で、現在ではパネルの総出荷数の5割を同社製品が占める。
ハンファQセルズ製を選択した理由について、市場開発部の秋庭克年チームマネージャーは「製品保証の継続性を考えると製造元の倒産が一番怖い。ハンファグループの後ろ盾は安心材料として大きい」と述べる。
これにより、同社は販売を伸ばし、17年度上期の設置棟数は前年同期比6%増の約1200棟となった。ただ、ハンファQセルズ製の販売価格は従来のパナソニック製と比べ4割ほど安いため、売上高は低下。同時期の売上は前年比8割にとどまった。
住宅用市場への参入が難しいと見られていた海外勢だが、潮流は変わりつつあるようだ。秋庭氏は「アジア勢が、欧米並みの品質基準を強調するようになり、海外製パネルに対する消費者の抵抗感が薄れている」という。
一方、PCSについては「精密機器ゆえオムロンなど国産品がまだまだ優勢だ」としている。