NTTスマイル、蓄電池つき太陽光の無償設置を開始
遠隔監視装置を販売するNTTスマイルエナジー(大阪市、小鶴慎吾社長)は2020年5月11日、低圧電力を受電する法人に太陽光発電設備と蓄電設備を組み合わせた無償設置サービスを提供すると発表した。同社が設備を所有し、顧客とPPA(電力売買契約)を結ぶ。9月末までに20億円投じる計画だ。
すでに、自治体や住宅オーナー向けに太陽光発電設備の無償設置を提供しているが、停電時における電力確保の需要が高まるなか、太陽光発電設備と蓄電設備を組み合わせた無償設置を法人向けに始めた。対象を、電力会社から低圧電力を受電する企業としたが、高圧電力を受電する企業の相談も受ける。営業地域は北海道・北陸・沖縄電力管内を除く全国とした。ただし、淡路島をのぞく離島は対象外とする。
同社は、設備を所有し、太陽光発電の自家消費分をPPAのもと設置環境にもよるが、1kWhあたり22円以上で法人客に売る予定。蓄電設備にためた電力を企業が使用する場合も同額で販売する。太陽光発電設備で足りない電力分は電力会社のエネットが電力を供給する仕組みで、同社がエネットへの取次ぎも行う。
蓄電容量9.8kWh、出力4kWのオムロン製蓄電設備を提供し、太陽光発電設備は、「設備費を考慮しながら相談させてもらうが、PCS(パワーコンディショナ)は国内製の自立運転機能搭載機を推奨する」(NTTスマイルエナジー広報部)。
同社は、災害による停電時に太陽光電力や蓄電設備にためた電力を顧客に無償で提供する。蓄電設備は、同社が参画するVPP(仮想発電所)事業でも活用する。
PPAの期間は太陽光発電設備のみであれば10年以上、蓄電設備を組み合わせる場合は12年以上とする。
同社は「第1期案件募集」として、9月30日までに20億円の投資を目指す。電力需要家への説明や設備の施工・保守を手掛ける販売・施工会社を募集している。