日本初の太陽光売電から25年 設備は桑野氏宅でいまも稼働
日本で初めて系統に連系された住宅用太陽光発電設備が今年7月で稼働から25年を迎えた。旧三洋電機で社長を務めた桑野幸徳氏の自宅の設備だ。太陽光パネルやPCS(パワーコンディショナ)が一度も壊れず、稼働を続けている。
桑野氏は1992年、大阪府交野市の自宅屋根に、変換効率10%の太陽光パネルを1.4kW分設置し、系統に連系して余剰電力を売電する逆潮流を始めた。
桑野氏は、「それまで余った電力は蓄電池に溜めるしかなく、コストが高くついてしまっていた。ならば系統へ戻させてもらおうと考え、当時の通商産業省(現在の経済産業省)に申請し、電力会社の社長会で認可を得た。実際に逆潮流するまで何度も関西電力の担当者と打ち合わせした」と振り返る。
逆潮流開始の翌年、ベランダに0.4kWパネルを増設し、現在発電設備の出力は1.8kWになっている。パネルは稼働開始当初からほとんど出力が劣化せず、PCSは部品の交換すらしていない。
桑野氏は、「逆潮流している太陽光発電設備では世界でもっとも長期間稼働しているのではないか」と胸を張り、続けて、「25年前と比べ、現在パネルの効率は倍になり、信頼性も上がった。より長寿命にすれば、もっとも安い発電設備になる」と強調した。
9月24日、桑野氏は関係者や報道陣を自宅に招いて設備を公開した。