DIC、自家消費用太陽光を積極導入
鹿島工場に1.6MW
インキ大手のDIC(東京都中央区、中西義之社長)が自家消費用の太陽光発電設備を相次いで導入している。8月に海外子会社に700kW設備を、来年1月には自社工場にメガソーラーを建設。FITを活用した売電が主流のなか、大手製造業が自家消費利用に舵を切り始めた。
同社は、合成樹脂の製造・販売を行うタイの現地法人サイアムケミカルインダストリーの工場と倉庫の屋根に太陽光発電設備を設置。建設にあたってタイの税制優遇措置を活用した。発電した電力はすべてオフィスなどで消費している。
さらに、鹿島工場では1.6MWの太陽光発電設備を導入する。来年1月に稼働予定だ。工場には、1.7MWのコージェネレーションシステムのほか、2.3MWの風力発電設備2基と4MWのバイオマス発電設備を導入しており、すべて工場内で消費している。現在、工場内の使用電力量4700万kWhのうち68%は再生可能エネルギーで賄っているという。
同社は環境負荷の低減に取り組み、2013年比で20年までに7%、年率1%のCO2排出量削減を中期目標として掲げる。鹿島工場の増産に伴い、大規模な太陽光発電設備を導入した。これまでも自社工場などに自家消費用の太陽光発電設備を複数設置してきたが、メガソーラーを建設するのは今回が初めて。
太陽光発電所の建設にあたり、同社は環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金を活用した。同社生産管理部の阿部智エネルギー管理担当部長は「生産や天候を予測しながら風力発電やバイオマス発電など複数の再エネを活用し、最大限のパフォーマンスを引き出す。工場の増産の有無に限らず、自家消費用の再エネを計画的に導入していく」と話す。
18年1月には石川県の北陸工場で木質チップを燃料としたバイオマスボイラが稼働する予定だ。