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ケルヒャー、パネル洗浄器具販売強化

伸縮式の柄で広範囲を洗浄可能。回転式のブラシで汚れを擦り落とす

清掃機器大手の独ケルヒャーが日本で太陽光パネル用洗浄器具の販売を強めている。日本法人ケルヒャージャパンは2016年12月期に約120組販売したのに対し、今期は9月時点で70組と低調だが、発電施設のO&M(管理・保守)が見直されるなか、潜在顧客の開拓に動く。

同製品は、高圧洗浄機に接続して使用する仕組みで、ホースと伸縮性の柄、回転式のブラシで構成される。専用の洗浄剤と合わせて使うのが基本だ。

一般に高圧洗浄には太陽光パネルが破損するリスクがあるといわれているが、同社の業務用プロダクトマネージャーの瀧澤洋介氏は、「水を高圧で吹きつけて汚れを落とすのではなく、洗浄剤で浮かせた汚れを擦り落とす製品だ」とし、これまで苦情を受けたことはないと明言する。

さらに瀧澤氏は、「パネル上の汚れがホットスポットの発生を招き、重大な損傷に至る場合もある。洗浄は必要だが、洗浄していない事業者が多いので、需要を掘り起こしていく」と意欲を示し、改正FIT法の施行によるO&Mの義務化に伴い、パネル洗浄の意義も見直されることを期待する。同社は現在、パネルユーザーの多い地域に重点的に営業を行うほか、自社のホームページ上で製品の実演会の予約を随時受けている。今後は高圧洗浄機の正しい使用法を指導する講習会の開催も検討中だ。

同製品は、高圧洗浄機も含めて定価120万円とやや高額だが、洗浄機の種類次第で60万円程度まで下がる。販売数は、発電事業者や清掃業者を対象に、14年の国内発売以来、累計で350組に達している。

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