オーイケ、太陽光向け基礎出荷6割減
コンクリート基礎を製造するオーイケ(長野県東筑摩郡、大池悦二社長)は、2017年8月期の太陽光発電所用コンクリート基礎の出荷数が前期比6割減少した。16年8月期の約3万6000個の出荷と比べ、1万5000個にとどまった。市場縮小の影響を受け、販売が振るわなかった模様だ。
同社は11年に本社工場へ即時脱型方式のコンクリート製造機を導入し、13年より太陽光発電所用基礎の生産を開始した。即時脱型方式とは、水分を少なめに配合したセメントに圧力と振動を加えてコンクリート製品を成形する技術。一般的な型枠流し込み方式と比べて、安価に強度の高い製品を生産でき、量産に向く。
同社は製法上の強みを活かして基礎を拡販し、最盛期の15年や16年は太陽光用基礎の売上が全体の2割を占めるまで伸ばしていた。
だが、前期は太陽光発電所の新規開発案件の減少に加え、安価で簡便に施工できる杭基礎との競争に直面。販売は6割ほど落ち込んだ。
同社営業部の大池康司課長補佐は、「今のところ太陽光向け製品を新たに開発する予定はないが、関東圏の事業者を対象に大型案件の受注を狙いたい」とし、「コンクリート基礎は杭基礎よりも軟弱地盤に強い。製品の利点を強調していく」という。
なお、同社は、フェンス用の小型基礎では年間5万個ほどの出荷数を維持したほか、他のコンクリート製品の販売を伸ばし、総売上高は前期比3%増を見込むなど、業績は堅調だ。