明電舎、PCS新製品
同社初のDC1000V対応・500kW機
重電メーカーである明電舎(東京都品川区、浜崎祐司社長)はこのほど、太陽光発電用PCS(パワーコンディショナ)の新製品として、直流電圧1000V対応の500kW機を開発、10月1日より販売を開始する。同社にとって定格出力500kW級のPCSは初めて。主に2MW以上の特別高圧発電所に向け、提案していく方針だ。
新発売する500kW機は、最大許容電圧0V~1000V、MPPT(最大電力点追従)制御範囲550V~900V、最大変換効率98.7%のトランスレス型PCS。これまでトランスイン型の100kW機と250kW機を供給、累計4000台以上の実績を積み重ねてきたが、新製品ではトランスレス型・1000V対応・定格出力500kWを国内向けの太陽光発電用PCSに初めて採用した。
電力・社会システム事業部エネルギーシステム技術部の長谷川一穗太陽光技術課長は、「特高発電所の未稼働案件が多く残っていることに加え、特高連系設備の引き合いが増えているなかで、一緒に置き換えを提案できるPCSを揃えたかった」と話す。同社は特高発電所を中心に営業活動していく構えだ。
製品の特徴は、500kW級で世界トップクラスの高変換効率であるほか、価格競争力も備えること。長谷川課長は、「競合となる1000V市場の大型PCSと十分に戦える価格を設定していくつもり。特高連系設備とのセット提案も進めていきたい」と語る。
また、屋内設置型であるため、コンテナメーカーと連携する形でPCS収納箱を用意する予定。PCS1台用のほか、PCS2台用の重耐塩仕様品も準備している。後者については一般的なエアコンを使うタイプだけでなく、熱交換とコンプレッサを用いた省エネ効果の高いハイブリッドタイプも揃える計画だ。
その他、集電機能は標準8回路、最大16回路までオプションで対応。非常用発電機との連系運転機能も内蔵している。寸法はW2300㎜×H1900㎜×D700㎜、質量が1400㎏である。来年4月からの出荷開始を見込む。