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長野で再エネの国際会議開催

会議中の様子

再生可能エネルギーの普及拡大をテーマに話し合う「地域再生可能エネルギー国際会議2017」が9月7日から2日間、長野県で開催された。国内外から約500名の関係者が参加し、太陽光発電の導入拡大に向けた取り組みを紹介した。

東京都や名古屋市、独オスナブルック市は、自治体による太陽光発電普及への取り組みとして、ソーラーマッピングを紹介。ソーラーマッピングは地域別の日射量データを誰でも簡単に知ることができる情報サイトで、自宅に太陽光発電を設置した場合の発電量を調べることができる。

オスナブルック市のデトレフ・ゲルツ気候変動課長は、「ソーラーマッピングで日射量が分かっても、屋根の耐久性まで分からない。そこで屋根の安全性を査定する専門家リストを載せた」と説明した。

東京都環境公社東京都地球温暖化防止活動推進センター創エネ支援チームの澤田美紀主任は「日射量データの公開だけではなく、補助金情報を併記するなど、実際に太陽光発電が設置されるような情報を付随していくべきだ」と課題を述べた。

一方、民間企業からは、再エネ発電所の開発や新電力を立ち上げた企業の代表者が登壇。たまエンパワーの山川勇一郎社長が、日本の太陽光発電導入費用が欧州より高い理由は施工費にあると指摘し、自社のDIO(Do It Ourself)を紹介。山川社長は、「プロと一緒に住民自ら太陽光発電設備の設置工事を行うことで、意識を高めてもらい、施工費の低減に繋げる」と説明した。

福岡県八女市のEPC(設計・調達・建設)企業で、地元企業とともに新電力会社を立ち上げたアズマの中島一嘉社長は、八女市では年間53億円ものお金が電気代として市外に出ていることから、エネルギーの地産地消の重要性を説いた。

愛媛県の施工・販売店、デンカシンキの木村賢太社長は、「太陽光発電について関心があり、設置できる屋根があるにも関わらず経済的理由で設置できないのはもったいない」と、子会社坊ちゃん電力による無償設置の取り組みを説明した。

同会議は、持続可能な社会を目指す世界1500以上の自治体で構成された組織『イクレイ(ICLEI)』を中心に国際的な意見交換の場として、2007年より欧州で開催されてきた。8回目となる今回、日本の環境省と長野県、イクレイの共催により、初の欧州域外での開催となった。

長野県の中島恵理副知事が「再生可能エネルギー100%地域を目指す自治体首長による長野宣言」を発表し、会議は終幕した。

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