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大豊G&N、既設発電所向け発電効率アップ提案強化

産業用電気機器の輸入商社である大豊G&N(東京都品川区、森本茂義社長)は、太陽光発電所の発電効率を改善させる製品の提供を始めた。主力はストリングオプティマイザで、20年間で5%を超える発電量の改善を実現できる製品だという。主に稼働済みのメガソーラーに対して提案していく方針だ。

同社は四国の技術商社である大豊産業の子会社。2016年4月に設立、昨夏頃より営業を本格化した。太陽光関連製品のほか、産業用インバータやモータも取扱う。森本茂義社長は、「販売だけでなくコンサルからアフターサービスまで一貫した対応を柔軟に行う点を重視している。社名のG&Nは〝義理と人情〟を大切にしていくとの思いも込められている」と話す。

太陽光関連製品では、「既設発電所向けに『PVブーストシステム』を提供し、発電効率を10%改善させる」(森本社長)ことを目指しており、その第一弾が米・アンプト社製のストリングオプティマイザである。MPPT(最大電力点追従)制御機能を搭載したDC/DCコンバータで、2ストリングを1出力とする製品だ。

太陽光パネルは、経年劣化や設計・環境要因の違いによって、個々の発電出力にバラつきが発生する。大型PCS(パワーコンディショナ)を採用している場合、ストリング特性にバラつきがあると全体としての最大出力を取り出せない。そこでオプティマイザを使ってMPPT制御を分散させ、発電出力を最適化する。つまり大型PCSで分散設置を実現するようなものだ。

主な販売ターゲットは買取り価格が40円または36円で、MPPT制御を設定できる大型PCSを採用している既設のメガソーラー。同社は現地事前調査や発電シミュレーションに加えて、設置後の効果検証も実施する。

森本社長は、「ストリング毎の発電効率を改善することによって、20年間で5%の発電量の改善が可能だ。40円のメガソーラーならば、約5年で設備費用を回収できる。ストリング監視機能もついているので、メンテナンスにも活かせるはずだ」と説明、これまでの設置実績は約20MWに及ぶ。

現在の主力機種は、直流電圧1000V対応の最大出力電流12Aタイプ。今秋にはより高出力のパネルに対応可能な同13.5Aタイプの受注を開始、600Vや750V、1500V対応品も揃える予定だ。新設発電所向けには、大型PCSメーカーと連携し、1500V対応PCSと1000V対応ストリングオプティマイザを組み合わせたシステム提案を準備している。

また、第二弾として、後付けの力率制御装置の開発も進行中だ。kWとkVAの容量が同じPCSの場合、力率を0.9などに制御すると発電量がピークカットされてしまうが、同装置はそれを補償する。

森本社長は、「製品自体は完成しており、あとは実証試験を行うだけだ」としたうえで、「(オプティマイザの)効果を実証できた事例が集まってきた。今後は代理店も募集していく」と語る。

森本茂義社長

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