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R2ソリューション、パネルのリユース・リサイクル本格化

(上)一次破砕中(下)ブラスト処理

太陽光パネルのリユース(再利用)・リサイクル(再資源化)を行うアールツーソリューション(東京都中央区、芋生誠社長)は6月に株式会社化し、事業を本格化させた。パネルのリユース・リサイクルを一貫して請負う体制を築き、パネルの大量廃棄に備える。

同社は、太陽光パネルのリユース・リサイクルの事業化を目的に、市川環境エンジニアリング、ネクストエナジー・アンド・リソース、リサイクルテック・ジャパン、近畿工業の4社が25%ずつ出資した合同会社として16年3月に設立された。

統括部長の小野広弥執行役は、「廃棄される太陽光パネルが今後増えていくと予想されるなか、リユースとリサイクルを一貫して請け負う体制が必要だと考えた」と述べ、まずは1年にわたり、マーケティングや装置開発などを実施、リユース・リサイクルの受入れ体制の構築を進めた。今年6月1日の株式会社化及び増資に合わせて、一括受入れを開始、事業を本格化させた。

なお、現在の出資比率は市川環境エンジ51%、ネクストエナジー34%、リサイクルテック10%、近畿工業5%である。

同社の強みは、廃棄処分された太陽光パネルを査定し、リユースあるいはリサイクルできるかどうか、同じ窓口で判断できること。事業者などは、リユースとリサイクルで別々の業者に持ち込む必要がない。

リサイクルでは、アルミ枠を外し、ロール型の破砕機で一次破砕処理をしたうえで、ブラスト処理を行う手法を採用。ブラスト処理装置についてはメーカーと専用機を共同開発しており、今夏にも正式投入する予定だ。

太陽光発電の導入拡大が進んだことで、将来、寿命を終えた太陽光パネルが大量に廃棄される時代が到来する。環境省は排出見込量が20年に約3000t(1枚あたり20㎏換算で15万枚)、30年に約3万t(同150万枚)に及ぶと推計しており、リユース・リサイクルを含めた適正処理を推進している。

現在、同社の処理工場は愛知県の1ヵ所。小野執行役は「来年度には関東にも工場を開設したい」としたうえで、「物流費などを抑えるためにも地域ごとに処理工場はあるべき。ただ、大量廃棄時代になると、我々だけでは到底やり切れないだろう。事業化するための装置や手法なども提供していくつもりだ」と語った。

小野執行役

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