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中・ライセンエネルギー、日本法人設立

太陽光パネル販売とプロジェクト開発本格化

中国・太陽電池メーカーであるライセンエネルギー(東方日昇新能源)は5月に日本法人を立ち上げ、日本市場へ本格進出した。モジュール販売のほか、プロジェクト開発も手掛けていく予定だ。

同社グループは1986年に創業。電球ソケットなどの製造から始まり、2002年にLED照明メーカーとしてライセンエネルギーを設立した。06年に太陽電池セル及びモジュール製造事業に参画。現在、中国のほか、インドや中米、豪州にも展開し、発電事業なども手掛ける。10年には深セン証券取引所に上場している。

16年末のセル・モジュールの生産能力は3.1GW(パートナー企業含む)。16年の出荷量はパートナー企業分を含めると前年比約2倍の2.53GWだったという。製品としては、60セルと72セルの多結晶及び単結晶型モジュールに加えて、多結晶型両面ガラスモジュールも揃える。いずれも製品保証は12年。出力保証については、同社は両面ガラスモジュールに30年、それ以外に25年のリニア保証を付与している。

日本市場には14年頃から代理店を通じてモジュールを販売してきたが、今年5月に日本法人の登記を完了、営業を本格化させた。6月中旬には東京都中央区に事務所を開所する予定だ。

ライセンエネルギーのセールス&マーケティングディレクターで日本法人社長を兼務するエリック・リー氏は、「日本はFIT価格が下がり、落ち着きつつある。だが、今後も安定的な市場であり、十分な商機がある」としたうえで、「我々の強みの一つは財務健全性」と説明する。

その一例として挙げるのが総資産負債比率の低さだ。低いほど借入金などの負債が少なく、安全性が高いとされる指標である。同社の同比率は15年末に63%、16年末が60.29%だった。それ以前も50%前後で推移してきた。リー氏は、「金融機関からの借入も少なく、健全な財務状況を維持している。同業他社であれば70~80%あることも多いが、我々は常に50%前後を念頭に置きながらコントロールしている」と語る。

日本ではプロジェクト開発も進める予定だが、まずはモジュール販売に注力するようだ。「プロジェクト開発は時間がかかるため、向こう3年間はモジュール販売が中心となるだろう。モジュールに関しては、高い品質を持つだけでなく、価格面でも他の中国大手と遜色ない提案が可能だ」(リー氏)。

今年の日本向けの出荷目標こそ明らかにしなかったが、「我々は日本で長期的なビジネスを展開したいと考えている。まずはパートナーと良い信頼関係を構築できるように基礎を固めていきたい」と強調した。

エリック・リー氏

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