太陽光発電所の運用セミナーが開催
O&M(管理・保守)と資産運用のセミナー、ソーラーアセットマネジメントアジアが、6月8日から9日にかけ東京で開催された。世界各国から250名が参加した。
初日はまず、経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー課の呉村益生課長補佐が登壇し、改正FIT法の概要と日本の再生可能エネルギー政策の方向性について解説した。
2日目の冒頭には、自由民主党の再生可能エネルギー普及拡大委員会の事務局長、秋本真利衆議院議員が開会の言葉を述べた。秋本議員は、「再エネ政策に携わる自民党の議員は、現状のエネルギーミックスをよしとはしていない。去年の5月、再エネの導入量22~24%の目標はクリアしている。これから数字を上げていかなければいけない。個人的には、40%以上にしたい」と意見を述べた。
登壇者の関心は、日本における太陽光発電の売電価格が減少するなか、建設費、運営費をいかに抑えるべきか、という点である。約50名の登壇者は、O&Mやアセットマネジメント、ファイナンス、EPC(設計・調達・建設)など、それぞれの観点から講演、討論を行った。
例えば、O&Mを手掛けるエコライフエンジニアリングの蔵並弘人社長は、「O&M事業者は決まったプランを一方的に発電所オーナーに提案するのではなく、事前にオーナーときちんと話し合い、その目線、そして発電所に合わせてどのようなサービスが必要かを提案すべきであり、O&Mとオーナーの目線を揃えることが大切だ」と主張する。
発電事業者のSBエナジー、石井康司事業企画部長は「運営費の大部分は土地の賃借料とO&Mの費用が占める。ただ土地の賃借料はなかなか下げられないので、運営費を下げるとはO&M費用の削減に等しい。そこで遠隔監視から保険まで、すべてを1社に任せてコストダウンを図ろうとしたが、実際あまり効果はなかった。緊急時対応や除草など、場合に応じて地元の方に依頼するなどし、改善した」と経験を述べる。
各セッションの合間にはネットワーキングブレークの時間が用意され、参加者たちは登壇者らとも活発な意見交換を行った。
参加者からは、「海外の企業の方とアポイントを取れる数少ない機会だ」といった声や、「日本にはなかった専門的なセミナーで、勉強になる」といった声が聞かれた。