住友電工、PV向け新製品続々
住宅用3.2kWh蓄電システム販売
住友電気工業は、蓄電容量3.2kWhの家庭用蓄電システムを5月下旬から発売する。同社が系統連系用の家庭用蓄電池を販売するのは初めてとなる。エネルギーシステム事業開発部の津上知道営業部長は、「容量を小さくしてコストを下げ、一般家庭の手に届く価格帯にした」と語る。
蓄電池セルは6000サイクルで、出力の制御と温度管理によってセル寿命を延ばし、同社の従来製品に比べ1日あたりの充放電回数を2サイクルまで増やしたという。独自技術によって変換効率を高めたインバータを内製化しており、「性能で他社との差別化を図る」(津上営業部長)。年間2000台の販売を目標に、OEMでの提供を行うほか、太陽光発電システムの一部としてパネルメーカーやハウスメーカーと協業して販売する。
津上営業部長は、「2台、3台と簡易的なシステムを後付けで追加し、容量を増やせるようにしていきたい。今後は、太陽光のパワーコンディショナと一体型にしたマルチタイプのラインナップも視野に入れている」と話した。
PLC監視に後付けタイプ追加
また同社は販売中のメガソーラー用PLCストリング監視システムに後付けタイプの製品を追加した。同システムを既設発電所に設置する場合に、従来は接続箱の中に設置していた端末を、専用のボックスに内蔵して販売する。接続箱内のスペースが足りないケースなどに対応した。
同製品は、2014年10月に販売を開始した。電力線を通信回線として利用するPLC技術を用いたことが特徴で、通信線の追加敷設工事が不要なため、低コストでストリング監視を導入できるという。発売以来、国内200MW規模の太陽光発電所で使用され、約4000台を納入してきた。
しかしながら、既設発電所に設置する場合は、接続箱に端末を設置するスペースが必要であるため、接続箱の種類によっては導入を断念せざるを得ない場合があった。また、スペースがあっても、接続箱メーカーがシステム保証に難色を示すケースもあったため、後付けタイプの開発に至った。
津上営業部長は、「PLC監視システムのウリである経済性を損なわないことを念頭に置きながら、端末を内蔵するボックスのサイズと品質を考慮し、バランスのよい製品に仕上げた」と説明する。
同社は、後付けタイプの追加により、改正FIT法やセカンダリーマーケットの需要をにらむ。17年度は合計で1万台の販売を目指す。