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イビデン、米アップルの100%再エネ化に協力

自社太陽光発電所12MW超へ

イビデンの髙木隆行取締役専務執行役員(左)と、イビデンエンジニアリングの水本秀三専務取締役(右)

電気機器製造のイビデン(岐阜県大垣市、竹中裕紀社長)はこのほど、事業活動にかかる電力を100%再生可能エネルギーで賄うという米アップルの方針に協力する考えを示した。建設中のメガソーラーが稼働すれば、所有する太陽光発電所の設備容量は12MWを超え、アップル向け製品の国内製造に必要な電力を上回る模様だ。

アップルは、製造を含めた事業活動に必要な全ての電力を100%再エネで賄うため、2018年までに年間25億kWhを超える再エネを生み出す体制構築を進め、部品メーカーに協力を仰いでいる。アップルにスマートフォン向けマザーボードなどを供給するイビデンは、日本企業で初めてアップルに協力。同社はこれまで国内で21ヵ所の太陽光発電所を所有しており、7月には大垣市で出力1MWのメガソーラーを稼働させる計画。稼動すれば、同社の太陽光発電所は計12MWを超え、アップル向け製品の国内製造にかかる電力を上回ることになる。

イビデンの太陽光発電所のうち20ヵ所は、EPC子会社のイビデンエンジニアリングが、イビデンの事業所屋上や遊休地などを活用して太陽光発電設備を設置し、FITを活用して売電している。

昨年2月にはイビデン衣浦事業場貯木場を活用した1.99MWの自社水上メガソーラーを開発。水上架台も自社開発し、イビデンエンジの水本秀三専務取締役は、「今後は水上メガソーラーの販売・施工にも力を注ぐ」と語る。

残り2ヵ所は、「人と地球環境を大切にする」(イビデンの髙木隆行取締役専務執行役員)という企業理念のもと、イビデンが05年に本社屋上に47kW、08年に大垣中央事業所屋上に600kWの太陽光発電設備を設置。発電した電力は自家消費している。

水力発電を祖業とし、火力発電も手掛けるイビデンは、太陽光・水力・火力発電合わせて約63MW分の発電所を所有している。そのノウハウでイビデンエンジは国内の水力発電の建設や保守も手掛けており、4月1日には米原市で地元企業と新会社を設立し900kWの小水力発電所を稼働。小水力発電事業も開始した。

なお、昨年12月にイビデンエンジが建設した岐阜県海津市の1.99MWの太陽光発電所のうち、強度試験のため設置した4種類の直置き架台70kW分が太陽電池の支持物の技術基準に不適合だとして、中部近畿産業保安監督部より厳重注意を受けている。その後、不適合箇所の撤去が完了し、既に1.92MW分は発電を開始しており、撤去した分も現在是正処置中で4月中にも稼働する計画だ。

自社水上メガソーラー

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