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日鉄エンジ、日鉄興和不動産向けオフサイトPPA開始

オンサイトPPAの余剰電力を活用

日本製鉄の子会社で電力小売りなどを手掛ける日鉄エンジニアリング(東京都品川区、石倭行人社長)は2023年9月4日、日鉄興和不動産向けにオフサイトPPA(電力売買契約)による再生可能エネルギー電力の供給を始めたと発表した。日鉄興和不動産の物流施設にあるオンサイト太陽光発電設備の余剰電力を活用する。

日鉄エンジは、千葉県内と埼玉県内の日鉄興和不動産の施設にオンサイトPPAで設置された太陽光発電設備を活用し、日鉄興和不動産の別の拠点にオフサイトPPAで電力を供給する。日鉄興和不動産とオンサイトPPAを結んだのは、みずほ東芝リースで、みずほ東芝リースは千葉県浦安市と埼玉県狭山市の日鉄興和不動産の物流施設にそれぞれ約1490kWと、約2043kWの太陽光発電設備を導入した。日鉄エンジはこれら両設備の余剰電力を活用し、東京電力管内で日鉄興和不動産が所有・運営する他の4拠点へ9月1日からオフサイトPPA方式での電力供給を始めた。

今回の仕組みでは、日鉄興和不動産が太陽光発電設備の設置場所を提供しつつ、長期間再エネ電力を購入し続けるオフテイカーで、みずほ東芝リースはオンサイトPPAによる電力供給とともに設備の維持・管理を手掛ける。日鉄エンジは発電量予測を含めたオフサイトPPAによる電力供給を行う。

日鉄エンジ環境・エネルギーセクター営業本部電力ソリューション部企画・需給管理室脱炭素ソリューション営業部兼務の寺嶋紀彦マネジャーは、「屋根上に設置された太陽光パネルが生む余剰電力の活用法は複数ある。経済性などを勘案した結果、今回はオフサイトPPAが適していた」と説明する。

今回の案件が同社初のオフサイトPPAとなるが、21年頃から仕組みを検討していたようだ。寺嶋マネジャーは、「当社は、発電側の需給管理の知見や技術も有しており、火力発電を使った自己託送の業務支援を手掛けた経験も持つ。それらを活かし、電力消費者毎に最適な提案を進めていきたい」と語る。

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