オリンピア、系統用蓄電事業に参入
群馬で蓄電所2基開発へ
再生可能エネルギーの発電事業を手掛けるオリンピア(東京都中央区、西村和広社長)はこのほど、系統用蓄電事業に参入すると発表した。まずは、東京都の補助金を活用し、2025年4月に群馬県内で蓄電所の運用を始める計画だ。
同社は、群馬県太田市内と伊勢崎市内で蓄電所を1基ずつ計2基建設する。いずれも出力1998kW、蓄電容量7404kWhの高圧蓄電所で、パワーエックス製のリン酸鉄系リチウムイオン蓄電設備を採用し、EPC(設計・調達・建設)業務を国定電機(群馬県伊勢崎市)に委託する。なお、運用業務を委託するアグリゲータは非公表とした。
総投資額は十数億円にのぼる模様だが、両案件とも東京都の補助事業の採択を受けており、2件で計約8億円の補助金を活用する見込みだ。
不動産開発の同社は13年7月に茨城県内で太陽光発電所を稼働させ、再エネ発電事業に進出。これまでSPC(特別目的会社)を通じ、5件12.5MWの太陽光発電所を運用してきた。山形県内では24年度内の運転開始を目指し、52.9MWのバイオマス発電所を建設中だ。
同社はFIT終了後を見据え、稼働中の太陽光発電所の構内に蓄電設備の設置スペースを確保した。今回の蓄電事業への進出は蓄電池併設発電への展開に繋げる狙いもあるようで、西村社長は「高圧蓄電所で実運用データを得ながら、特別高圧蓄電所の開発も検討していく」と語る。