JDSC、営農用太陽光向け日射量予測技術開発
AIシステム開発のJDSCは2023年8月28日、営農用太陽光発電所を対象に日射量を予測する技術を開発した。太陽の動きや太陽光パネルの配置を考慮して下部農地の作物にあたる日射量を予測する。作物に適した発電所の設計を支援する構えだ。
同社は、営農用太陽光発電所の太陽光パネルの配置を部分的に変え、5つの異なるパネル配置を用意した。そのうえで、各々の遮光率を予測し、下部農地の日射計の実測値と照合したところ、予測値と実測値の誤差を30%程度まで抑えることに成功したという。
同社DXソリューション事業部の佐々木佑介データサイエンティストは、「パネルの配置が異なれば、作物にあたる日射量も異なるので、その点を踏まえ、日射量を予測する技術を開発した」とし、「他の予測結果と比べ、AIによる予測の精度が最も高かった」と話す。
同社は、農作業の省力化の研究を進めるなか、23年3月に東急不動産らと営農用太陽光発電の共同実証実験を開始。AIを用いた日射量予測の開発を本格化させた。今後は実用化に向け日射量情報を蓄積し、誤差を20%まで低減する考えである。
JDSCは18年に設立。再生可能エネルギーに関する取り組みでは、22年12月に仙台空港に設置予定の太陽光カーポートから発生する反射光シミュレーションを受注している。