新生銀行、メザニン融資で再エネに400億円
洋上風力を視野
新生銀行は2020年10月30日、再生可能エネルギー発電へメザニンローンの提供を始めると発表した。大和証券グループ本社傘下の大和エナジー・インフラと共同で、向こう2年程で太陽光発電や陸上風力発電向けに約400億円を計画している。洋上風力発電市場の本格的な立ち上がりに備える。
メザニンは中二階という意味で、メザニンローンは融資と株式の中間に位置づけられている。返済順位が融資より低いが、その分、金利が高い。
最近はFIT売電単価の低減などに伴い、融資の借入可能額が減少傾向にある。株主資本を増やさなければならず、発電事業者の負担が増している。そこで新生銀行は、発電事業者の負担を減らすべく、大和エナジー・インフラと共同でメザニンローンの提供を始めた。今スキームでは実際の貸付業務は新生銀行傘下の新生信託銀行が担う。すでに陸上風力発電で1件契約を結び、20年内に太陽光発電で2件の契約を結ぶ予定だ。
新生銀行が見据えるのは洋上風力発電だ。新生銀行プロジェクトファイナンス部の吉村剛ストラクチャードファイナンス室長は、「今後、市場の急拡大が想定される洋上風力発電は開発費が太陽光発電や陸上風力とは桁違いで、事業者の負担も大きくなる。メザニンローンをはじめ、フォロー体制を構築していきたい」と話す。
同社はまず今スキームで太陽光発電と陸上風力発電、バイオマス発電向けに実績を作り、洋上風力発電市場の本格的な立ち上がりに備える。