日本気象協会、日射量サービス来春リニューアル
日本気象協会(東京都豊島区、繩野克彦会長)は、2016年4月から日射量推定サービスをリニューアルする。気象衛星ひまわり8号を活用し、より精度の高い日射量の情報を提供する。太陽光発電所の発電予測精度が向上する可能性も出てきた。
ひまわり8号は、気象庁が今年7月から運用を開始した最新の気象衛星だ。撮影機能が高く、従来のひまわり7号が30分ごとに1~4㎞間隔の解像度で画像を取得していたのに対し、2.5分ごと500m間隔で捉えられる。短時間の細かい空間における日射量の変動を捉えられるようになったのである。
協会は、ひまわり8号の概要が発表された当初から日射量推定サービスの開発を進めており、リニューアル後は、2.5分ごと500m間隔で日射量の推定値を提供する。観測時刻から提供までのタイムラグを、従来の30分から15分に短縮する。
さらに協会では、日射量の推定手法の最適化を図るなどして精度の向上に努める。衛星画像の解像度が上がり、細かい雲の動きを捉えられるようになったためだ。実際の日射量との誤差6%以内を目指し、4月のリリースに向けて開発を進めている。
現在、日射量推定サービスは、電力会社や小売電気事業者、発電事業者、O&M業者などが活用している。再生可能エネルギー推進グループの山口浩司グループリーダーは、「発電所の管理面で日射量を把握したいという取引先は増えている。また、30分先や数時間先の日射量の予測精度を向上させるためにも、現在値の推定精度を上げることは欠かせない」と今回のリニューアルの意義を説明する。なおリニューアル後のサービス名称は、『ソラサットエイトナウ』。価格は現在調整中だ。