クエッション、小型PCS販売10%増
屋外用が牽引
小型PCS(パワーコンディショナ)を扱うクエッション(兵庫県西宮市、大波加正行社長)のPCS販売が堅調だ。昨年4月に売り始めた同社は、今年から月平均の出荷量が前年比10%増加、来年3月までの1年間で2万台に達する勢い。今夏発売の屋外用PCSが牽引している。
同社は、昨年4月に小型PCS製造のダイヤモンド電機と総代理店契約を結び、モジュールメーカーやEPCへの卸売りを開始。初年度は小型PCSを1万8000台販売した。
現在ラインアップは、屋内用の出力4.5kW機と5.8kW機、7月に発売した屋外用5.5kW機の3種である。変換効率は屋内用がいずれも94.5%、屋外用は95%だ。
エネルギー事業本部の福森裕仁本部長は、「屋外用PCSの低圧発電所へ向けた出荷が好調」とし、「ダイヤモンド電機製PCSの強みは価格だ。国産の小型PCSでは最安値での提供を目指す」と語る。
ダイヤモンド電機は、自動車の点火コイルや車載電装部品を製造している。コントローラの実装や半導体の購入における原価低減を数十年行ってきたことから、PCS内のコントローラを1つずつ基板から製造し、コスト低減を図っているという。
福森本部長は、「住宅用市場では、自家消費を志向する動きが活発になるだろう。来春を目途にダイヤモンド電機が汎用型のハイブリッドPCSを商品化する予定なので、蓄電池とセットでの提供を検討している」という。
クエッションの今年2月期の売上高は約10億円だった。今期は15億円程度まで伸長する見通しである。