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NTTエレク、遠隔監視開発

920MHz帯無線通信で集約効果実現

NTTグループのNTTエレクトロニクス(横浜市神奈川区、萩本和男社長)は、太陽光発電所向けの遠隔監視システムを開発、今夏より販売を本格化している。複数の発電所でも、半径1㎞程度の同エリア内であれば、通信データを一本化してクラウドサーバと繋げる点が特長だ。ミドル級発電所などを同エリア内で複数手掛けるプレーヤーやO&M企業に提案を強めている。

同社が開発した遠隔監視システムは、『長距離無線接続タイプ』と『Wifi接続タイプ』の2種類。いずれもCTセンサ方式を採用しており、PCS(パワーコンディショナ)の種類や容量を問わない。CTセンサは3タイプ揃えており、最大で250kW級のPCSにも対応可能だという。

主力機種である長距離タイプは、920MHz帯の無線通信を利用し、エリア内の太陽光発電所のデータを集約したうえで、クラウドの監視センターと3G通信で繋ぐことができるもの。つまり、同じエリア内であれば、発電所一つひとつに3G回線を引く必要がないのである。

「集約できるエリアは、設置環境に依存しているが、半径数百mから1㎞のエリアで通信網を構築することができる」(無線応用特別プロジェクトの相澤和宏技術主任)。

長距離タイプでは、CTセンサから子機、さらに親機を介して3G回線に一本化され、監視センターにデータが送られ、遠隔で監視していく。CTセンサと子機との間は有線接続するが、子機から先は無線通信。CTセンサと子機の間には、センサを集約するマルチセンシングユニットを設置しており、接続口は4つ。PCS出力以外にも日射計や気温計などを繋ぐこともできる。それとは別にPCSの接点信号を1口取ることも可能だ。

「(長距離タイプは)低消費電力かつ長距離通信を実現している我々独自の無線技術を活かして構築した。子機は電池式だが、電池の寿命は標準的な目安として5年程度だ」(セキュリティシステム事業ユニットの深見健之助部長)。

なお、Wifiタイプも基本的なシステムの仕組みは同じ。ただし、920MHz帯のような通信の集約効果はない。

管理画面上では、現在の発電量や過去データとの比較値をグラフ表示できるほか、参考データではあるが、売電金額も算出する。履歴などをメモとして残せる『メンテナンスノート』機能も付いている。日射計データとの比較やCTセンサ同士での相対比較によるアラート検知・通知機能も搭載している。

同ユニットの渡邉信彦課長は、「後付けでのニーズも多い。無線通信かつ電池式の子機であり、屋外仕様なので設置もし易い」としたうえで、「地域密着型で展開されている販売・施工業者さんやO&M企業さんが、屋根貸し方式も含めて、同一エリア内で複数の太陽光発電所を監視したい場合、特に有効活用してもらえると思う」と語った。

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