山本商事、京都で5.3MW稼働
砕石場、発電所に生まれ変わり
砕石・リサイクル事業を手掛ける山本商事(奈良県御所市、山本譲二社長)は、自社の砕石場跡地である京都府綴喜郡に、総出力5.3MWの太陽光発電所を建設し、11月末から稼働を開始した。
今回建設した土地は、同社が30年来砕石事業を行ってきた私有地。同社の山本譲二社長は、「砕石は地元の理解があってできる事業。30年の感謝を込めている。災害時の非常用電源としても活用して頂きたい」と話している。
同発電所は、A、B、C区からなり、総出力は5.31MW。モジュールは東芝製で、約2万1千枚を使用した。年間予想発電量は519万kWhで、一般家庭1450世帯分の使用量に相当する。
売上高60億円の約7割を稼ぐリサイクル事業も、太陽光発電と同じ新エネルギー事業の中核を担う。リサイクル事業では、奈良県のリサイクルセンターで、プラスチックや繊維、金属等の産業廃棄物を細かく分別し、火力発電の燃料となるRPFを生産している。生産したRPF燃料は、王子製紙など自社で火力発電所を持つ企業へ販売する。
山本社長は、「リサイクル事業は環境にとって良いことに違いないが、RPFの製造に年間約750万kWhの電力を使用している。自社で排出するCO2よりも多くの二酸化炭素削減に貢献したいと思い、太陽光発電所の建設を決めた」と語る。今後、本発電所を含め、近畿圏内に全15ヶ所、13MWの発電所の建設を予定している。
また、同社は建設事業も手掛けており、リサイクルセンターの設計施工や、工場の増改築、メガソーラーの造成を行ってきた。建設事業は夏場需要が落ち込み、冬に売上を伸ばす傾向があることから、「売電収入が、夏場の建設事業の売上をカバーする」(山本社長)と話している。
同発電所「京都宇治田原ソーラーパーク」で発電された電力の半分は、関西電力にkWhあたり40円で、残り半分はオリックスに41円で売電する。