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昭和電線グループ、アルミ導体送電システム開発

10月より販売本格化

昭和電線グループは、特別高圧の太陽光発電所向けにアルミ導体ケーブルを用いた地中送電システムを国内で初めて開発、10月より本格販売を開始した。第1号案件は、茨城県久慈郡に建設される24MW発電所向け。10月から納入、12月より接続工事が始まっている。

同社グループは、アルミ導体ケーブルを用いた地中送電システムとして、アルミ導体に適合するケーブルジョイント、ダイレクトモールド気中プッシングおよび断路機能付T形終端接続部を開発。昭和電線ケーブルシステムとエクシムの共同開発によるものである。

これらは、変電設備から特高受電開閉所を経て、電力会社の系統連系に繋ぐ66/77kVまたは22/33kV用の地中送電システム。同社グループは電力ケーブル用のコネクタ製品を『サイコネックス』ブランドで供給しており、今回の新製品もその一つ。国内では一般的に採用されている銅導体ケーブル用の送電システムも揃えている。

「国内では銅導体が主流だが、海外ではアルミ導体が多く、我々も約10年前に、欧州向けのアルミ導体に適合したT形終端接続部を開発、納入した経験があった。国内の太陽光発電所でアルミ導体を使いたいという要望があり、国内仕様品を開発した」(昭和電線ケーブルシステムの電機産業システム営業部電機システム機器グループ長の馬場大吾課長)。

国内第1号案件は、スペイン・ゲスタンプグループが茨城県大子町にて計画する出力24MWの『袋田太陽光発電所』。2015年4月に商用運転を開始する予定だ。同社は、施工を担当する東京パワーテクノロジーから66/77kV用の地中送電システムを受注した。

同社グループのアルミ導体ケーブル用送電システムにおける最大の特長は、コストダウン効果を期待できることだ。「アルミは銅に比べて、損失が多く、同じ容量を送るには、ケーブルが1~2サイズ大きくなる。一方で、長距離送電システムでは、それ以上に素材コストでの価格差が生まれるので、十分にコストメリットを生み出せるはずだ」(エクシムの秋谷安司システム技術部長)。

昭和電線ケーブルシステムの同グループの羽生俊輔担当課長は、「例えば、袋田では、アルミの150SQケーブル約7㎞を採用したが、もし銅であれば80または100SQケーブル。だが、組立費なども含めたシステム全体で比較すれば、約2割のコストダウンを実現できた」と話す。

その他、アルミは銅に比べて軽く、施工性の向上に繋がる可能性もある。アルミ導体に適合した専用部材を開発したことでシステムとしての信頼性も高い。

馬場課長は、「我々は銅導体ケーブル用のほか、直流ケーブルや接続箱も揃えているので、発電所に合わせた最適な提案を行える」と語った。

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