日本電業工作、自立電源型簡易パワコン監視を発表
セキュリティカメラ低価格化へ
通信機器メーカーの日本電業工作(東京都千代田区、岩本眞社長)が、太陽光発電向けの監視機器を相次ぎ開発している。いずれも、同社の無線通信機器を用いて、無線伝送技術で発電状況を見守るものだ。
同社が新たに発表した「パワーコンディショナ監視Light」は、直流電流と接点信号異常を検知する簡易な監視システム。オプションにより、交流電力パルスの測定の追加も可。
監視状況は、3G回線で携帯電話のSNSに通知され、毎日手軽に確認が可能だ。1日1度の定期通知と、機器異常のアラームに内容を限定しているため、通信のランニングコストは月1000円に抑えられる。
事業開発部の藤本直樹部長は、「直流入力電流は2系統に対応しているので集電箱が2台あるミドルクラスに向いていると思うが、低圧やメガクラスにも応用できる。機器は、太陽光と蓄電池を電源する自立型なので、万一パワコンが停止しても監視を継続できることが特長。自立型電源の方が、売電ロスを最小限に抑えられる」と話している。
無線方式・自立電源のため、後付設置が容易。監視の導入がなされていない発電所や、停電時の監視対策が施されていない発電所向けに展開を強めていく。
また、発電所のセキュリティ対策として、監視カメラシステムの販売も手掛けている。「マルチカメラ監視mini」は、カメラと無線LANを一体型にした小型の監視システム。システムに内蔵するカメラの選定を見直し、事業者が導入しやすい価格にコストダウンした。
カメラは最大4地点に設置し、映像は無線で親機に集約、コンピュータから発電所の様子が確認できるというもの。オプションの人感センサで、侵入者を検知して警報を鳴らし、事業者の携帯電話にも通知できる。昨今頻発している発電所の盗難対策として販売する。
「無線が持つ可能性は、再エネ事業に貢献する部分が多い。太陽光だけでなく、今後風力発電所の建設場所の検討や、風車の点検に活用していきたい」(藤本部長)。