再使用蓄電池の安全性に関する国際規格制定
再使用蓄電池の安全性に関する国際規格がこのほど制定された。NITE(製品評価技術基盤機構)が2023年11月30日に公表した。EV(電気自動車)で使用された車載蓄電池の再使用が進みそうだ。
NITEの主導でIEC(国際電気標準会議)が制定した今回の国際規格は、EVで使用された蓄電池を定置用蓄電設備で再使用する際の安全性や性能、運用法などを評価する基準である。
EVで使用された蓄電池は劣化状態や充電率(SOC)が各々異なり、安全性を評価せずに再使用すると火災事故を招く危険性がある。そこでNITEは、今回の規格化に向け、18年から非破壊診断で再使用蓄電池の安全性を評価してきた。蓄電設備の長期運用を想定し、実運用に伴う劣化の進行状況を細かく診断してきたのだ。
NITE国際評価技術本部国際規格課の稲葉知英課長は「今回の安全規格は、JET(電気安全環境研究所)による再使用蓄電池の認証サービスなどにも活用してもらいたい」としたうえで、「規格の活用を促すため、24年4月以降のJIS(日本産業規格)化を目指して申請手続きを進めている」と状況を語る。