AGC、廃棄パネル材から板ガラス製造に成功
ガラス大手のAGCはこのほど、廃棄された太陽光パネルのカバーガラスから板ガラスを製造することに成功したと発表した。実用化すれば、ガラスの資源循環が実現する。
同社は、横浜市内の研究施設にある建築用板ガラス製造窯で、ガラス屑や砂原料に太陽光パネルの廃ガラスを混ぜて溶解。2023年10月19日から22日間に亘って実施し、板ガラスの製造に成功した。
AGC建築ガラスアジアカンパニー持続的経営基盤構築グループの長尾祥浩グループリーダーは、「板ガラスを製造するには、不純物が混じっていない高純度なガラスを使用する必要がある」と語る。
そこで同社は今回、廃棄パネルを分別処理する新菱から廃ガラスを24t調達した。新菱は太陽光パネルをアルミフレームやバスバー、セル、ガラスなどの再資源化が可能な部材と、最終処分する部材に分別する技術を有し、特に熱処理の技術が高い。
AGCの長尾グループリーダーは、「太陽光パネルの重量の約6割はガラスだ。ガラスを適切に再資源化できれば、ガラスの埋立量は削減される」としたうえで、「循環型社会の実現に向け、今後は一部破損したパネルのガラスで検証する」と意気込む。
同社は廃棄された太陽光パネルのカバーガラスから板ガラスを製造した