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ラスコジャパン、簡易基礎受注好調

売上3.8倍に

同社の基礎『ソーラーファウンデーション』を 用いた発電所

木道や橋梁の設計・施工を手掛けるラスコジャパン(兵庫県三木市、島谷学社長)が、野立て太陽光発電所の架台を支える基礎の販売・施工で実績を伸ばしている。軟弱地盤や強風地域での設置に適した基礎で、2014年12月期は昨年比3.8倍の5億円を売り上げ、同社全体の売上高の約3分の1を占めた。

同社の基礎『ソーラーファウンデーション』は、地面に打ち込む4本のピンと、ピンを纏めるコンクリート土台で構成される。長さ2mのピンを地面に対して斜めに打つと、ピンは地中でクロスする。ピンの長さと交わりによって強度を保つ仕組み。引き抜き試験では1.5~2tの荷重にも耐えられるという。

開発部の中塚正明課長は、「置き基礎は、500㎏の強度を出すには500㎏のコンクリートが必要で、輸送・施工・養生に時間もお金もかかる。当社の基礎は34㎏のコンクリートと4本のピンで1.5t以上の強度が維持できる」と製品の強みを話す。

同基礎工法は、木道や橋梁の設計に由来するもので、国立公園に指定されている湿地帯や丘陵地の歩道の設計・施工で実績がある。中塚氏は、「太陽光発電所でも景観を意識している。なるべく掘削や造成がなく、土や芝生を残した形で発電所を建設できるのが当社の特長だ」と語る。

14年は2MW規模の発電所を複数手掛けた。大型案件の増加に伴い、施工スピードを早めるための専用の治具を作成、測量の手間を軽減した。

15年度、太陽光関連の売上は8億円を見込んでいる。「1月から3月は施工が立て込んでおり、既に14年度の売上を超える見通し。施工の難しい地域だからこそ提供できる基礎として、今後も顧客ニーズに応えていく」(中塚氏)。

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