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米ソロパワー、モジュール工場再稼働

フレキシブルCIGS本格販売へ

フレキシブルタイプのCIGS型薄膜モジュールを製造する米ソロパワーは、今年8月に米オレゴン州ポートランド市のモジュール製造工場を再稼働させた。同工場は2012年後半に稼働したが、中国製の安価な結晶パネルに引きずられて市場価格が落ち込み、採算が合わず13年3月より生産を中止していた。だが今回、一定の需要が見込めるとの判断から生産を再開した。

人材確保や生産ラインのチューニングなどを約4ヶ月かけて行い、12月からはフリーランによる本格稼働を予定している。15年は月間1~2MWを目標に製造し、米国や欧州、日本で販売していく。

今年6月、製造工場の再開が決まると同時に日本での展開を視野に、日本法人ソロパワー・ジャパン(東京都千代田区、安藤一郎社長)を設立。出資比率は日本で太陽光発電所の建設などを行うシグマアソシエイツが60%、米ソロパワーが40%となっている。ソロパワー・ジャパンの岩片三幸取締役は、「日本には日本特有のルールがあり、日本企業がマジョリティを握ることで対応していく」と語る。

ソロパワー製モジュールの特長は薄型で軽量、そしてフレキシブルな点。専用の接着シールで屋根や壁などに直接貼ることができる。「架台が必要となる結晶シリコンや、同じCIGS系でもガラス基板構造の製品とは需要が異なる。我々の製品は建材一体型として、主にアールのある場所や耐荷重の低い屋根など向けである」(岩片取締役)。

同社製品の現在の変換効率は10~12%で結晶シリコンよりも低く、コストは結晶シリコンに比べると高価だ。しかし、岩片取締役は「我々の製品は光吸収率が高く、直角に光を当てる必要はないため壁面でも使用できる。変換効率もポテンシャルは高く、ソロパワーも16.3%は成果として出している。今後は、量産化するにあたってどれほど伸ばせるかがカギ」とし、「コスト面に関しても、設置コストが結晶シリコンに比べると安く、トータルでの発電コストはそれほど差がない。また、同じCIGSでも、我々は設備費が高価な真空蒸着方式ではなく電気めっき方式なので、設備費を抑え、装置の大型化がしやすいため、製品の低コスト化がしやすい」と語る。

今後は蓄電池と組み合わせた販売などを視野に入れている。

ソロパワー・ジャパン、岩片三幸取締役

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