ワタミ、北海道厚真町で15MWのメガソーラー稼働へ
20年にCO2排出量削減50%目指す
外食・介護などを手掛けるワタミ(東京都大田区、桑原豊社長)は、北海道厚真町で出力15MWのメガソーラーを12月に稼働する。同社は既に秋田県で3基、計6MWの風力発電所を稼働しており、再エネ事業を推進している。
北海道厚真町で建設中の発電所は2013年12月に着工、今年の12月に稼働予定である。中・インリー・グリーンエナジー製の太陽光パネルと、独・SMA製のパワーコンディショナを採用し、EPC(設計・調達・建設)は東光電気工事が担当した。太陽光発電の専門会社である市民ソーラーシステム(北海道札幌市、吉住謙社長)が設立したSPC(特別目的会社)が、厚真町の公募事業に選ばれ、そのSPCにワタミが出資した。主にアセットマネジメント等の事業管理をワタミが担当し、発電所の開発から運営および保守メンテナンスを市民ソーラーシステムが担う。総事業費は約45億円。プロジェクトファイナンスを組成し、建設にかかる費用のうち新生銀行から総額約38億円、完工後には昭和リースから6億円の融資を受ける予定だ。
ワタミが再エネ事業を積極的に行うのは、同社が09年に発表した「W-ECOビジョン2020」が背景にある。これはグループでCO2排出量を20年までに排出量を売上高で除した売上高換算で08年度比50%削減を目指すというもの。
ワタミ100%子会社で環境事業に特化するワタミエコロジー(東京都大田区、小出浩平社長)の小出浩平社長は、「13%は節電などの運用改善で、17%はLED照明などの設備投資で削減し、残りの20%を自然エネルギー事業で削減する計画」と語る。
また、小出社長は、「地元企業との共同で地域に根付いた事業を展開したいという思いもある」とし、「たとえば地域の物産を我々の外食事業で扱わせていただくなど、地域に還元していきたい」。
同社は12年3月に秋田県にかほ市で2MWの風力発電所を稼働して以降、再エネ事業を本格化し、これまで風力は3基、計6MW稼働させた。太陽光は自社工場の屋上に250kWと49kWの発電設備を設置している。このほか、来年末の稼働を目指して北海道むかわ町で19MWのメガソーラープロジェクトの開発を進めるなど、今後も再エネ事業を推進していく構えだ。