東京太陽光建材、両面受光パネル 販売堅調
出荷倍増の1MWへ
両面受光型太陽電池モジュールを製造する東京太陽光建材(東京都台東区、金香佑典社長)は、2014年のモジュールの出荷量が、前年比約2倍の1MWとなる見込みだ。青森県や秋田県など、降雪量が多い地域での導入が進んでいる。
同社が販売するモジュール出力は、表面が250~260Wであるが、裏面でもその約2割の発電量が得られるとしている。それだけに一般の片面受光型よりも約20%発電量が増えるという。
パネルの設置角度を50度程度にすると、地面に跳ね返った光を裏面で効率よく取り入れられる仕組みだ。
同社取締役会長の仁村利尚氏は、「設置実績が増えてきて、両面受光型で発電量が2割アップになることは証明されているが、両面受光型パネルの正式な規格がなく、表面側の認証しか取れないのが現状。他社でも徐々に取扱いが増えているので、今後の盛り上がり次第では認証取得が可能になるだろう」と話す。
積雪地域では、冬季の発電が見込めないことから、太陽光の設置は進んでいないが、両面受光型は雪の反射光を裏面で取り入れることが可能だ。その際、パネルの温度は36度程まで上がるため、表面の雪が融ける効果もある。
13年12月に稼働した青森県の中学校では両面受光型パネル20kWを設置。設置から今年3月の4ヶ月間の発電量は、片面の想定発電量を21%上回る記録が出たという。
仁村会長は、「両面受光型は価格が高いと言われるが、20年間売電期間で、20%の発電量増なら決して高くはない。今後ビルの屋上への設置や、両面受光型を活かした新製品の投入を目指す」と話した。